大阪府堺市北区 なかもず駅前の さわだ眼科 です

多焦点レンズを用いた白内障手術

　2020年3月末で「多焦点眼内レンズを用いた白内障手術」は先進医療制度から外れ、新たに選定医療制度の対象となっております。このページでは多焦点レンズを用いた手術の特徴と金額などを解説していきます。

　従来の保険診療の範囲内で用いられていた白内障用のレンズは、１か所にしかピントの合わない単焦点レンズでした。
　単焦点レンズの場合、遠くにピントを合わせて手術をすると、術後に手元を見る時には老眼鏡が必要となり、逆に近くにピントを合わせて手術を行うと、遠くを見るときに眼鏡が必要となります。

写真1：単焦点と多焦点の見え方の比較。

　これは、ピントを調節する機能がないために起こっており、一般的に老眼と呼ばれる状態です。その老眼という問題を改善するために用いられるのが多焦点レンズです。
　多焦点レンズを用いると、遠近、もしくは遠中近の全てにピントを合わせることができるようになりますので、老眼鏡などの眼鏡を使用する頻度が少なくなります。

多焦点レンズの問題点

　上に書いたようなことを聞くと、多焦点レンズは夢のようなレンズと思われるかも知れませんが、問題が無いわけではありません。
　単焦点レンズでは１００％の力で１か所を見ていたのに対し、多焦点レンズでは、１つの光を遠と近の2か所、もしくは遠中近の3か所の焦点に分けて見ることになります。
　すると、同時に遠と近の両方の像が脳に伝わることで違和感を感じる方もおられます。ちょうど野球観戦の時に、選手に集中しているとネットは気になりませんが、ネットとプレーの両方が主張しあうとうまく試合が見られないような状態です。

写真2：ネットの像が主張している

写真3：プレーにピントがあっている状態。

　ほとんどの場合、術初期に違和感があったとしても慣れる場合が多いのですが、あまりに違和感がひどい場合、当院では単焦点のレンズに入れ替えます。
　レンズの入れ替えの際の料金は1回まで無料で行っております。

治療費

　現在多焦点レンズを用いた白内障手術は、選定医療という制度下で実施されています。
　この制度では、通常の保険診療での白内障手術代金とは別に、多焦点眼内レンズ代をお支払い頂くことで最新の多焦点レンズを用いた手術を受けていただけます。
　当院では3焦点レンズを33万円（税込）、2焦点レンズを25万円（税込）で提供しております。なお、通常の保険診療での白内障手術代は1割負担の方で1万5千円程度、3割負担の方で4万5千円程度であり、レンズ代とは別にこの手術代が掛かります。

当院で主に用いているレンズです
アルコン　パンオプティクス：国内の先進医療制度で初めて承認された3焦点眼内レンズ。片眼33万円（税込）

アルコン　アクティブフォーカス：車の運転など、遠用重視のレンズ。旧来のレンズにあった光のにじみなどの合併症を押さえたレンズ。片眼25万円（税込）

　

　

---